春学恋愛部
初めての努力
一週間後。1年1組。
「どーしたの、柚果。あと1週間で夏休みなのに、暗いね」
心配そうな声で鈴花が問いかける。
「だって、1㎏も痩せてないのに、先輩はオーストラリアに行っちゃったんだよー」
柚果は机に突っ伏した。
この1週間、柚果は努力した……つもりだ。
はじめの3日は断食し、3㎏痩せて大喜びしたが、4日後ご飯を食べるとすぐに戻った。
次の3日間はほぼ歩きながら、毎日5㎞走ったが、喉が渇いたので炭酸ジュースを飲んだらすぐに戻った。
そんな姿を海斗は呆れながら見ていたが、何も言わずに昨日オーストラリアに留学してしまった。
「私、一体どーすればいいの~?」
鈴花に相談するが、ダイエットには縁のないスレンダー美女の彼女にはよくわからない。
「また悩んでんの?」
廊下側の窓の向こうから聞き覚えのある声がして、2人が振り向くと拓馬がいた。
「外まで聞こえてたよ。怪獣みたいな泣き声」
ひどい言い草なのに、何とも憎めないのが彼の特徴だ。
「彼氏さん、海外留学だって? ちゃんと仲直りはできたのー?」
この前海斗とちゃんと話ができたのは、拓馬のおかげだと思い、柚果は事情を話してみることにした。
「海原先輩が留学したら、今度は馬瀬くん?」と言いたげな周りの視線が痛いので、3人は屋上へ移動することにした。
「どーしたの、柚果。あと1週間で夏休みなのに、暗いね」
心配そうな声で鈴花が問いかける。
「だって、1㎏も痩せてないのに、先輩はオーストラリアに行っちゃったんだよー」
柚果は机に突っ伏した。
この1週間、柚果は努力した……つもりだ。
はじめの3日は断食し、3㎏痩せて大喜びしたが、4日後ご飯を食べるとすぐに戻った。
次の3日間はほぼ歩きながら、毎日5㎞走ったが、喉が渇いたので炭酸ジュースを飲んだらすぐに戻った。
そんな姿を海斗は呆れながら見ていたが、何も言わずに昨日オーストラリアに留学してしまった。
「私、一体どーすればいいの~?」
鈴花に相談するが、ダイエットには縁のないスレンダー美女の彼女にはよくわからない。
「また悩んでんの?」
廊下側の窓の向こうから聞き覚えのある声がして、2人が振り向くと拓馬がいた。
「外まで聞こえてたよ。怪獣みたいな泣き声」
ひどい言い草なのに、何とも憎めないのが彼の特徴だ。
「彼氏さん、海外留学だって? ちゃんと仲直りはできたのー?」
この前海斗とちゃんと話ができたのは、拓馬のおかげだと思い、柚果は事情を話してみることにした。
「海原先輩が留学したら、今度は馬瀬くん?」と言いたげな周りの視線が痛いので、3人は屋上へ移動することにした。