春学恋愛部
「二人共、持久力、バランス感覚……どれも平均には届かないね」
気まずそうに正樹は続ける。
「でも大丈夫。これから作るプランに添って頑張れば、すぐに平均以上になれるよ」

「ありがとうございました」
柚果と鈴花は、声を揃えて頭を下げる。

「運動についてはこれでOKだから、次は食事だね。君には今流行りの、糖質オフダイエットがいいと思うんだ。制限はあるけど、結構満腹感があるからね」

拓馬がテキパキと説明していく。
すごく詳しい上に、説明がわかりやすい。

拓馬くんだって私と同じようにスイーツが大好きで、でも太らないように努力してる。
正林先輩は部活が休みの日も運動できるように、ここでバイトしてる。
イケメンランキングの人って、格好いいだけで持て囃されてると思ってたけど、ちゃんと努力してるんだ。
私、新聞部としても失格だな。
こういうことを、取材するべきだったんだ。

気づいた柚果は、自分が恥ずかしくなる。

でも、これから変わればいい。
私……変われるよね……と、柚果はまた決心を固くした。
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