春学恋愛部
8月30日。空港。
柚果は、グリーンのワンピースを着て立っていた。
海斗が選んだ服は、60㎏になったらピッタリだった。
少し伸びた髪は肩までかかり、今日はサイドを編み込んできていた。
編み込みも、鈴花からの特訓の末習得したものだ。
柚果の瞳に飛び込んで来た海斗は遠くから見ても目立つ。
か、格好いい……とのぼせ上がる柚果。
スリムなジーンズに白のTシャツ。
首と手首にはシルバーアクセサリーが光っている。
シンプルなのに目を引き付ける、独特の雰囲気がある。
「海原くん、お帰りなさい」
斜め前にいた集団が駆け寄って、よく見ると柚果の先輩たちだ。
向こうは全く、柚果に気付いていなかった。
「おぅ」
それだけを答えて、海斗は柚果の方を向いた。
「俺の見立て通りだな。似合ってる。行くぞ」
(こんなに変わったのに、すぐに私に気づいてくれたの……?)
あまりにも整った横顔に言葉を飲み込んで、柚果は海斗に手を引かれて歩き出した。
「お帰りなさい」
ただ一言、それだけを伝えて。
柚果は、グリーンのワンピースを着て立っていた。
海斗が選んだ服は、60㎏になったらピッタリだった。
少し伸びた髪は肩までかかり、今日はサイドを編み込んできていた。
編み込みも、鈴花からの特訓の末習得したものだ。
柚果の瞳に飛び込んで来た海斗は遠くから見ても目立つ。
か、格好いい……とのぼせ上がる柚果。
スリムなジーンズに白のTシャツ。
首と手首にはシルバーアクセサリーが光っている。
シンプルなのに目を引き付ける、独特の雰囲気がある。
「海原くん、お帰りなさい」
斜め前にいた集団が駆け寄って、よく見ると柚果の先輩たちだ。
向こうは全く、柚果に気付いていなかった。
「おぅ」
それだけを答えて、海斗は柚果の方を向いた。
「俺の見立て通りだな。似合ってる。行くぞ」
(こんなに変わったのに、すぐに私に気づいてくれたの……?)
あまりにも整った横顔に言葉を飲み込んで、柚果は海斗に手を引かれて歩き出した。
「お帰りなさい」
ただ一言、それだけを伝えて。