春学恋愛部
夕方。

「もうすぐ、閉園の時間だね」
寂しそうに柚果が言う。

「最後に、あれ乗るか?」
海斗が指差した先には観覧車。
動物園に併設している、小さな遊園地の中心だ。

「さっき、子どもだましの遊園地だって言ってたのに…?」

「いいから」
手を引っ張られ、着いて行く柚果。

いつかの帰り道、柚果は観覧車が好きだと話をした。

煙と何とかは高いとこが好きってバカにしてたのに、覚えてるのかな…?柚果は首を傾げた。
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