春学恋愛部
観覧車に二人で乗る。
小さく見えたけれど、目の前まで来るとそれなりの大きさがあった。

「ほら、見て海斗。さっきのライオンが見えるよー。動物園が見える観覧車、いいね。あ、ゾウも見える!」
窓にくっついて外ばかり見ている柚果に、海斗は少し意地悪な気分になる。

ガタンッ

大きな音を立てて海斗が立ち上がり、柚果の隣に腰掛け観覧車が傾く。

驚いた柚果を気にする様子もなく、海斗は……柚果の首筋にキスした。

「ひぁっ…こんなとこで…な、何?」

「誰からも、見えねぇよ」

確かに閉園間近の遊園地にはほとんど客は見当たらなくて、観覧車も貸し切り状態だ。
「で、でも…んっ…」

反論を許さず、柚果の唇が塞がれる。

何度めかの深いキスに、柚果もおずおずと、舌を絡めて答えた。
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