春学恋愛部
「鈴花~、あと一人、2年生なんだぁ……。
ついて来てくれない?」
「もう、何の取材かも教えてくれないくせに~、苺パフェ、奢りだからね!」
「はいはい」
「ねぇ、ところで柚果、河川敷の君は、まだ見つからないの?」
鈴花の質問に、柚果の表情が沈む。
「そうなんだよね……」
『河川敷の君』は、柚果が勝手につけた名前だ。
赤ちゃんを連れた母親が困っているのを助けた、春学の生徒。
その後、子犬とじゃれあっていたり、子どもと野球をしているのを見かけたけど、いつも遠くてはっきり顔が見えない。
土手の下まで降りて近づく勇気がない、柚果のせいなのだが。
次に彼に会ったら絶対に声をかけようと、柚果は心に誓っていた。
恋バナで盛り上がっていると、2年生の教室はあっという間だ。
2年3組の教室の前に着き、二人は顔を見合せて急に静かになる。緊張を押し殺して、柚果はドアを開けた。
ついて来てくれない?」
「もう、何の取材かも教えてくれないくせに~、苺パフェ、奢りだからね!」
「はいはい」
「ねぇ、ところで柚果、河川敷の君は、まだ見つからないの?」
鈴花の質問に、柚果の表情が沈む。
「そうなんだよね……」
『河川敷の君』は、柚果が勝手につけた名前だ。
赤ちゃんを連れた母親が困っているのを助けた、春学の生徒。
その後、子犬とじゃれあっていたり、子どもと野球をしているのを見かけたけど、いつも遠くてはっきり顔が見えない。
土手の下まで降りて近づく勇気がない、柚果のせいなのだが。
次に彼に会ったら絶対に声をかけようと、柚果は心に誓っていた。
恋バナで盛り上がっていると、2年生の教室はあっという間だ。
2年3組の教室の前に着き、二人は顔を見合せて急に静かになる。緊張を押し殺して、柚果はドアを開けた。