春学恋愛部
「一番じゃなくてもいい。海斗が努力してること、私はわかってる。それに……海斗はいつでも……私の一番だよ」
海斗が柚果の方を向いて、訝しそうな目を向けた。

「お前も同じこと、言うんだな。でもお前も……きっと……」

「きっと……?」
柚果が尋ねると、海斗は顔を近づけてはっきりと答えた。
「やっぱり違ったって、言うんだろ?」

「そんなことっ……」

「どっちでもいーや」
柚果の言葉を遮るように、海斗は唇を重ねる。

どうしてそんなに寂しそうなの?
不安そうなの?

聞きたい事を言葉にはできず、柚果は海斗を受け入れる。
そうしないと、彼がどこかに行ってしまいそうな気がしたから。
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