春学恋愛部
「いいよ。育ってきた環境が違うんだし、お互い分かり合うのには時間がかかるもんだよ。体育祭の様子見てても海原先輩は柚果のこと好きだと思うし、変に焦らなくていいんじゃない?」
鈴花が柔らかく微笑む。

(いつから鈴花はこんなに綺麗になったんだろう?
昔から美人だったけど、今は大人っぽい余裕まで醸し出してる。
正樹先輩と付き合うようになってから?)

柚果は「うん……」と答えながら、ぼんやりと思っていた。
「次はこっちー」とレアチーズケーキのお皿を引き寄せ、拓馬が話し出す。

「そんなことより、体育祭が終わったら文化祭だよね。学生の特権って感じだし、僕文化祭って、大好き!君たちのクラスは何するの?」

「私たちは写真館だよ。背景と衣装を用意して、希望があればメイクとかヘアメイクもしてあげるの。私は衣装とメイク担当。柚果は写真担当だったよね」と鈴花。

海斗のクラスは何するんだろう、なんて考えながら頷く柚果。

「そうだよ。カップルはハートの背景で撮ってあげるから、拓馬くんも彼女と来てね」

「あ、うーん。文化祭は……来ないんじゃないかなぁ。まぁ、もし来たらちゃんと紹介するよ」
軽く頬を染めて拓馬が返事する。

3人の心はすっかり文化祭でいっぱいになった。
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