春学恋愛部
あっという間に夏休みは後半。
騒がしく短い命を謳歌する蝉の声を耳に、鈴花は部活のため登校していた。
実は手芸部という地味な部に所属している彼女は、服を作るのが好きだ。
将来はデザイナーか、モデルになれたら……なんて思っている。まだあくまでぼんやりとした夢だけれど。
部室に向かう途中体育館の前を通ると、バスケ部が休憩中なのが目に入った。
正樹の姿を見つけ声をかけようかな、と思うけれど、女子バスケ部の先輩らしき人と楽しそうに話すのが見え、そのまま通りすぎる。
この夏休み、正樹と鈴花は毎日のように顔を合わせていた。
約束のない日もジムで会うし、それ以外にも買い物にも行ったし、二人で海にも行った。
鈴花の水着姿を目にした正樹が、目を泳がせて真っ赤になっていたのも覚えている。
まるで恋人同士のように過ごしていても、正樹から告白されることはなかった。
(私、正林先輩のこと好きなのかな)
鈴花は自分の気持ちにも、自信がもてなかった。
騒がしく短い命を謳歌する蝉の声を耳に、鈴花は部活のため登校していた。
実は手芸部という地味な部に所属している彼女は、服を作るのが好きだ。
将来はデザイナーか、モデルになれたら……なんて思っている。まだあくまでぼんやりとした夢だけれど。
部室に向かう途中体育館の前を通ると、バスケ部が休憩中なのが目に入った。
正樹の姿を見つけ声をかけようかな、と思うけれど、女子バスケ部の先輩らしき人と楽しそうに話すのが見え、そのまま通りすぎる。
この夏休み、正樹と鈴花は毎日のように顔を合わせていた。
約束のない日もジムで会うし、それ以外にも買い物にも行ったし、二人で海にも行った。
鈴花の水着姿を目にした正樹が、目を泳がせて真っ赤になっていたのも覚えている。
まるで恋人同士のように過ごしていても、正樹から告白されることはなかった。
(私、正林先輩のこと好きなのかな)
鈴花は自分の気持ちにも、自信がもてなかった。