春学恋愛部
「最後に一つ、好きな女の子はいますか?」

「あ、ちょっと悪ぃな」

海斗がポケットからスマホを取り出した。

バイブレーションが鳴ってたらしい。
柚果の目の前で、『銀の鍵のストラップ』が揺れた。

(嘘……この人だったんだ!
やっと会えた。でも、どうしよう。
取材が終わったら、もう話せなくなる……)

柚果の頭の中を色々な思いがぐるぐると回る。

「…で、何だった?」スマホをポケットに戻しながら尋ねる海斗を見つめ、柚果は固まったままだ。

「取材…終わり?」

「ねぇ、柚果どうしたの?」

鈴花が心配して顔を覗き込む。
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