春学恋愛部
背中を押され追い出されそうになった柚果の 背後で、冷やかな声がした。

「ばーか。そいつは俺の逆指名だっての。ドリンクとケーキでも出してやれよ。それとも、仕事放棄しよっかなー」

「海斗!」
振り返った柚果の目に飛び込んで着たのは、身体にフィットしたスーツを身に纏った海斗だった。

後ろの女の子たちがざわめく。
「あれ海斗だよね、うそ、カッコいいー」

「写真よりいいよね、やっぱりあたし海斗にする!」

受付の先輩がため息をついて柚果と鈴花に向き直った。

「お客様、ご案内いたします」
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