クールな社長は懐妊妻への過保護な愛を貫きたい
・夢見たデート
一週間後の土曜日は雲一つない気持ちのいい快晴だった。
夏久さんの運転で遊園地へと向かう。
「わあ」
ゲートをくぐり、足を踏み入れた瞬間、思わず感嘆の声が漏れてしまった。
土曜日ということもあって来場者は多い。
右を見ても左を見ても人、人、人だった。その中にマスコットキャラクターの着ぐるみが混ざっており、子供たちに写真をせがまれている。
遠くからは楽しそうな悲鳴が聞こえていた。
顔を上げれば、存在感のある観覧車がどんと鎮座している。
「すごい……!」
「はしゃぐなよ」
横から咎める声が聞こえてけれど、あまり耳に入らなかった。
今までこういう場所は来たことがない。
「あれ、乗りたいです」
「だめに決まってるだろ」
ジェットコースターを指さしながら歩き出そうとすると、片方の腕を掴んで引き留められた。