クールな社長は懐妊妻への過保護な愛を貫きたい
「ねえ。そのカクテルおいしい?」
「あ……はい。チャイナブルーって言って……きれいですよね」
「ひと口もらってもいいかな?」
「……どうぞ」
ためらいがちに差し出したものの、なんとなく飲む姿は見ていられなかった。
(馴れ馴れしい気がする。違う? こういうもの?)
自問自答を繰り返していると、味見を終えた彼がグラスを戻してくる。
「うん、おいしいね! 僕も次はそれにしようかな」
「いいと……思います」
青い色を見つめ、湧き上がる違和感をアルコールで消してしまおうかと思ったとき、不意に後ろからグラスを取り上げられる。
「約束の時間に遅れたからって、ほかの男といちゃつかなくてもいいだろ?」
(……え)
振り返ると、まず最初に人好きのする笑みが目に入った。
目を惹かれるのは、どことなくオーラというものがあるように感じられるからだろうか。決して童顔ではないのに、緩んだ口元がいたずら好きの子供を思わせる。
しかも、シャツのボタンをふたつも外していた。着崩したスタイルでさえ妙に似合うのは逆にすごいことなのかもしれない。
そのシャツもグレーのジャケットも高級そうな代物だった。男性のスーツに詳しくない私でも、どこかのブランドものだろうとわかる程度には。
少し長めの前髪を上げているところは、着崩していてもきっちりして見える。遊び人のような、それでいてなんとなく仕事ができそうな、不思議な印象だった。
「あ……はい。チャイナブルーって言って……きれいですよね」
「ひと口もらってもいいかな?」
「……どうぞ」
ためらいがちに差し出したものの、なんとなく飲む姿は見ていられなかった。
(馴れ馴れしい気がする。違う? こういうもの?)
自問自答を繰り返していると、味見を終えた彼がグラスを戻してくる。
「うん、おいしいね! 僕も次はそれにしようかな」
「いいと……思います」
青い色を見つめ、湧き上がる違和感をアルコールで消してしまおうかと思ったとき、不意に後ろからグラスを取り上げられる。
「約束の時間に遅れたからって、ほかの男といちゃつかなくてもいいだろ?」
(……え)
振り返ると、まず最初に人好きのする笑みが目に入った。
目を惹かれるのは、どことなくオーラというものがあるように感じられるからだろうか。決して童顔ではないのに、緩んだ口元がいたずら好きの子供を思わせる。
しかも、シャツのボタンをふたつも外していた。着崩したスタイルでさえ妙に似合うのは逆にすごいことなのかもしれない。
そのシャツもグレーのジャケットも高級そうな代物だった。男性のスーツに詳しくない私でも、どこかのブランドものだろうとわかる程度には。
少し長めの前髪を上げているところは、着崩していてもきっちりして見える。遊び人のような、それでいてなんとなく仕事ができそうな、不思議な印象だった。