クールな社長は懐妊妻への過保護な愛を貫きたい
こちらにもそのつもりがなかった以上、ふたり揃って結婚を回避したいと思っていたのはありがたい話だったが、それにしても遠慮がない。
「雪乃ちゃんが行っちゃったのは間違いなく私のせいだから、その点に関してはごめんなさい。……でも、あんな勢いで逃げ出すって異常だと思う」
「…………」
「どういう結婚生活を送ってるの、あなた」
言われてから背筋に冷たいものが走る。
まともな結婚生活とは言いがたかった。
それでも、最近はずいぶん改善したはずだった。
けれど、足りていたかと言われればそうではない。その証拠に雪乃さんは逃げてしまった。
雪乃さんに百瀬のことを話していなかったのは完全に俺の落ち度だ。いくら名前ばかりの婚約者で、お互いにこれっぽっちも思うところがなかったとしても、その存在を伝えておくべきだった。
出会ってから雪乃さんのことで頭がいっぱいだった、というのは言い訳にならない。
俺の知っている雪乃さんなら、百瀬に出会ったとしてもその場はうまく流しただろう。そして、後でどういう関係なのか聞いてくる。
それさえせずに逃げ出すのは、百瀬の言う通り異常である。
「雪乃ちゃんが行っちゃったのは間違いなく私のせいだから、その点に関してはごめんなさい。……でも、あんな勢いで逃げ出すって異常だと思う」
「…………」
「どういう結婚生活を送ってるの、あなた」
言われてから背筋に冷たいものが走る。
まともな結婚生活とは言いがたかった。
それでも、最近はずいぶん改善したはずだった。
けれど、足りていたかと言われればそうではない。その証拠に雪乃さんは逃げてしまった。
雪乃さんに百瀬のことを話していなかったのは完全に俺の落ち度だ。いくら名前ばかりの婚約者で、お互いにこれっぽっちも思うところがなかったとしても、その存在を伝えておくべきだった。
出会ってから雪乃さんのことで頭がいっぱいだった、というのは言い訳にならない。
俺の知っている雪乃さんなら、百瀬に出会ったとしてもその場はうまく流しただろう。そして、後でどういう関係なのか聞いてくる。
それさえせずに逃げ出すのは、百瀬の言う通り異常である。