クールな社長は懐妊妻への過保護な愛を貫きたい
「好きだからに決まってる。ひと目惚れしたんだ」
「ふうん?」
「……さっき言ったよな。結局誰かの意思で将来を決められたのかって」
「うん。違うの?」
「たしかに俺の人生はずっとそうだった。でも、雪乃さんだけは違う」
彼女を思うと胸の奥が熱くなる。
自身の胸元を掴み、そこを締め付ける痛みから気をそらそうとした。
「あの人は俺が選んで、愛した人だ。順番は間違えたかもしれないが、後悔はしてない。君が言うような“強制された結婚”じゃない」
「それ、本人に言った?」
相変わらず遠慮なく切り込んでくる。
居心地の悪さを感じるのは、百瀬が目をそらそうとしないからだろう。
「そういうのを伝えていたら元婚約者が現れても逃げ出さなかったんじゃないの?」
ふん、と鼻を鳴らすと百瀬は腰に手を当てて溜息を吐いた。
「ちゃんと言うべきことは言った方がいいと思うよ。ほんとに」
「……覚えておくよ」
「誤解が解けたら、改めて雪乃ちゃんと話をさせてね。夏久くんでもいいって言ってくれるような人、興味あるし」
笑った百瀬が追い払うように手を払う。
「引き留めてごめん。頑張って」
「言われなくてもそうする」
「それじゃ、私もとびっきり素敵な“今”の婚約者が待ってるから」
聞き返す前に百瀬は颯爽と立ち去った。
言われたことはひとまず置いて雪乃さんを追いかける。
「ふうん?」
「……さっき言ったよな。結局誰かの意思で将来を決められたのかって」
「うん。違うの?」
「たしかに俺の人生はずっとそうだった。でも、雪乃さんだけは違う」
彼女を思うと胸の奥が熱くなる。
自身の胸元を掴み、そこを締め付ける痛みから気をそらそうとした。
「あの人は俺が選んで、愛した人だ。順番は間違えたかもしれないが、後悔はしてない。君が言うような“強制された結婚”じゃない」
「それ、本人に言った?」
相変わらず遠慮なく切り込んでくる。
居心地の悪さを感じるのは、百瀬が目をそらそうとしないからだろう。
「そういうのを伝えていたら元婚約者が現れても逃げ出さなかったんじゃないの?」
ふん、と鼻を鳴らすと百瀬は腰に手を当てて溜息を吐いた。
「ちゃんと言うべきことは言った方がいいと思うよ。ほんとに」
「……覚えておくよ」
「誤解が解けたら、改めて雪乃ちゃんと話をさせてね。夏久くんでもいいって言ってくれるような人、興味あるし」
笑った百瀬が追い払うように手を払う。
「引き留めてごめん。頑張って」
「言われなくてもそうする」
「それじゃ、私もとびっきり素敵な“今”の婚約者が待ってるから」
聞き返す前に百瀬は颯爽と立ち去った。
言われたことはひとまず置いて雪乃さんを追いかける。