クールな社長は懐妊妻への過保護な愛を貫きたい
「夏久さんにとって一番大事なのは子供ですし、結婚も責任を果たすためのものだってわかってます。だけど……どうか、私のことも好きになってくれませんか?」

 一世一代の告白だったのに、夏久さんはぽかんとしている。

「あの……?」
「……っ、鈍い。鈍すぎる」
「えっ――」

 思いきり抱き締められて、今度は私が固まる番だった。

「とっくに好きだよ。最初に会ったときからずっと、俺の頭の中は君でいっぱいだった。騙されてるかもって思ったときは本当にきつかったんだからな。ものすごく悩んで、信じようとする自分を無理矢理押し殺して……。離婚したいって言われたときは心臓が止まるかと思った。だけど、君がつらいなら受け入れるべきだと……」
「そんなふうに思ってたなんて……知りませんでした」
「いつも君のことで一喜一憂していたよ。遊園地で仲直りできたと思ったのに、よそよそしくなったときとか、どうすればいいかわからなかった。好きだって伝わったと思ってたからな」
「でも、あの日以来キスしてもらってないです」

 顔だけでなく全身が熱くなるのを感じながら訴える。
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