クールな社長は懐妊妻への過保護な愛を貫きたい
「パソコンを持ってきた方がよかったかもしれないな。ピックアップしたものから見つからない可能性もあるし……。今から取ってくるか」
「ちょっと落ち着いてください」
そわそわしている夏久さんの袖を掴んで引き留める。
そして、この騒ぎの中でもぐっすり眠っている娘の方を見た。
「名前をプレゼントするより先に、パパの顔を覚えさせてあげてください」
「それもそうだな」
降参するように両手を軽く挙げてひらひらさせると、夏久さんは娘の顔を覗き込んだ。
「……これは門限を決めたくもなる。うちの子が悪い男にでも引っかかったらと思うと耐えられない」
「夏久くんにもわかるか。そうなんだよ、娘っていうものはそういうものなんだ」
「お父さんから見たら、悪い男って夏久さんなんじゃ……?」
私の突っ込みは父親ふたりの耳に入らない。
そうしていると、娘が大きなあくびをした。
はっとしたようにふたりが口をつぐむ。
「起こしたかな」
「大丈夫だと思いますよ」
「なら、触っても平気だと思うか?」
「んー……たぶん」
また、夏久さんが娘を覗き込んだ。そして、おそるおそる指を近付ける。
その指がつん、と娘の頬をつついた。それからふにふにと触れて、指先で撫でる。
壊れ物を触るような一連の動作を見てほっこりしてしまった。
「ちょっと落ち着いてください」
そわそわしている夏久さんの袖を掴んで引き留める。
そして、この騒ぎの中でもぐっすり眠っている娘の方を見た。
「名前をプレゼントするより先に、パパの顔を覚えさせてあげてください」
「それもそうだな」
降参するように両手を軽く挙げてひらひらさせると、夏久さんは娘の顔を覗き込んだ。
「……これは門限を決めたくもなる。うちの子が悪い男にでも引っかかったらと思うと耐えられない」
「夏久くんにもわかるか。そうなんだよ、娘っていうものはそういうものなんだ」
「お父さんから見たら、悪い男って夏久さんなんじゃ……?」
私の突っ込みは父親ふたりの耳に入らない。
そうしていると、娘が大きなあくびをした。
はっとしたようにふたりが口をつぐむ。
「起こしたかな」
「大丈夫だと思いますよ」
「なら、触っても平気だと思うか?」
「んー……たぶん」
また、夏久さんが娘を覗き込んだ。そして、おそるおそる指を近付ける。
その指がつん、と娘の頬をつついた。それからふにふにと触れて、指先で撫でる。
壊れ物を触るような一連の動作を見てほっこりしてしまった。