クールな社長は懐妊妻への過保護な愛を貫きたい
普段頑張っている分のご褒美に――と夏久さんが取ってくれたホテルは立派なものだった。リゾート地にあるようなものとはまた違うけれど、古くから歴史があり、内装も重厚で特別感がある。
部屋もまた、立派なものだった。大きな窓からは都内の夜景が一望でき、きらびやかな世界を独り占めしているような錯覚を受ける。
でも、私は景色や部屋に心を奪われなかった。それ以上に心を占めている人が目の前にいたせいで。
「シャワーはあとがいいな」
ベッドに座った夏久さんが私に手招きした。そんな仕草だけで胸がきゅんとして、すぐ隣に座る。
「膝に乗ってくれてもよかったのに」
「重いからだめです」
「雪乃さんは重くないよ」
膝の上に置いていた手を夏久さんの手が包み込んで、肩を抱き寄せられる。
部屋もまた、立派なものだった。大きな窓からは都内の夜景が一望でき、きらびやかな世界を独り占めしているような錯覚を受ける。
でも、私は景色や部屋に心を奪われなかった。それ以上に心を占めている人が目の前にいたせいで。
「シャワーはあとがいいな」
ベッドに座った夏久さんが私に手招きした。そんな仕草だけで胸がきゅんとして、すぐ隣に座る。
「膝に乗ってくれてもよかったのに」
「重いからだめです」
「雪乃さんは重くないよ」
膝の上に置いていた手を夏久さんの手が包み込んで、肩を抱き寄せられる。