クールな社長は懐妊妻への過保護な愛を貫きたい
「夏久さんは? 行ってみたい場所ってありますか?」
「今は君の話をしてるんだ」
「でも」
頭の中で夏久さんの提案を組み立て――少しだけそこに自分の願望を乗せる。
「初めてふたりで出掛ける場所、だから」
「……!」
「ごめんなさい。デートみたいだなって……思いたくて……」
声が震えてしまった。
目が潤むのを感じて、慌てて下を向く。
こんなにすぐ泣くような人間ではなかったのに、妊娠の影響でメンタルが不安定になっているのかもしれない。
「だから……夏久さんの意見も聞きたいと思ったんです。いつも私の希望を叶えてくれてばっかりでしたし……」
「……俺に行きたい場所なんかないよ。どこでもいい」
「じゃあ、行ったことのない場所は?」
なにげない問いかけだった。
言ってしまってから、答えをもらえないだろうと覚悟したのに――。
「……遊園地かな」
「今は君の話をしてるんだ」
「でも」
頭の中で夏久さんの提案を組み立て――少しだけそこに自分の願望を乗せる。
「初めてふたりで出掛ける場所、だから」
「……!」
「ごめんなさい。デートみたいだなって……思いたくて……」
声が震えてしまった。
目が潤むのを感じて、慌てて下を向く。
こんなにすぐ泣くような人間ではなかったのに、妊娠の影響でメンタルが不安定になっているのかもしれない。
「だから……夏久さんの意見も聞きたいと思ったんです。いつも私の希望を叶えてくれてばっかりでしたし……」
「……俺に行きたい場所なんかないよ。どこでもいい」
「じゃあ、行ったことのない場所は?」
なにげない問いかけだった。
言ってしまってから、答えをもらえないだろうと覚悟したのに――。
「……遊園地かな」