彼と両思いになる方法
第3章『別れ』
私、知らなかった。
先輩に夢があることも。部活の大会があることも。
全部、自分勝手にやってたんだ。
でも、私は前の先輩に戻ってほしい。
バスケを楽しそうにやっている先輩に。
「あ、美沙。ここにいたんだ。」
「先輩・・・・・・。」
「さぁ、今日はどこに行く?ケーキ屋?それとも遊園地に・・・・・・」
「先輩!私達、お別れしませんか?」
「え?な、何で?」
「私、さっき聞いちゃったんです。もめてる所。でも、私は前の先輩に戻・・・・・・。」
『戻ってほしい』
そう言いかけた瞬間突然、先輩にグーで殴られた。
「ガハッ! 」
「何で、そんな事言うんだよ。」
「え・・・・・・。先輩?」
先輩の顔は、まるで鬼みたいで冷たい目で見下ろしてきた。
(ひっ・・・・・・!!)
「何で、俺の言う通りにしないんだよ!そもそもお前がやったのがいけないんだぞ!」
何度も何度も顔を殴られ、ズキズキした痛みや血が出ていた。
「何で?先輩・・・・・・。」
「これは、愛だ。だって、俺達は両思いなんだもんな。」
「は、はい・・・・・・。」
私は怯えながらそう答えた。