本命は君なのに
澄み渡る青い空、蝉の合唱、眩しすぎる真夏の早朝。
女子高に通う私。
額の汗をハンカチで拭いながら蒸し暑いホームで電車が来るのをずっと待っている。
3日ほど前に一学期の期末テストがようやく終わわった。
安堵からなのかしばらく脱け殻のように私はなっていた。
時間が流れるのは意外と早い。
ほっとできるのもつかの間、さっそく今日の一時間目からそのテスト返しが始まる。
『ああ、嫌だ!』
下をうつむいた。
持っている鞄がずっしりと重い、だけど今は自分の気持ちの方がずっと重い。
なぜならば、───。