本命は君なのに


澄み渡る青い空、蝉の合唱、眩しすぎる真夏の早朝。





女子高に通う私。




額の汗をハンカチで拭いながら蒸し暑いホームで電車が来るのをずっと待っている。





3日ほど前に一学期の期末テストがようやく終わわった。





安堵からなのかしばらく脱け殻のように私はなっていた。




時間が流れるのは意外と早い。





ほっとできるのもつかの間、さっそく今日の一時間目からそのテスト返しが始まる。



『ああ、嫌だ!』



下をうつむいた。



持っている鞄がずっしりと重い、だけど今は自分の気持ちの方がずっと重い。



なぜならば、───。
< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop