本命は君なのに
私のテストの点はだいたい予想ができる。
一歩、また一歩、ゆっくりと前進をする足が重い。
行きたくない、行きたくない。
……もう学校に、行きたくない。
親からは今度のテストの成績が悪かったら塾に行くようにとガミガミ長い説教を聞かされて、もううんざりだ。
耳が痛い、もう頭がズキンズキン痛い。
ホームにアナウンスが流れる、『……白線の内側にお下がりください』と。
いつもの駅、普段通りに一秒も遅刻をすることなく到着した私が毎朝乗るいつもの見慣れた電車。
私は電車の扉がゆっくりと開くのをただじっと眺めていた。
扉が開くと同時に勢いよく降車してくる人達が溢れるようにどっと出てくる。
この瞬間が私はいつも凄く恐ろしい。
人が多いのはあまり好きじゃない。