ももだろう
むかーしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが暮らしていました。

おじいさんは超巨体でした。

おばあさんは超小さいのでした。

おじいさんは普段は居眠りばかりする、いわゆる”ぐうたら”というやつで、おばあさんはそれに対して飽き飽きしていました。

おじいさんははじめっから巨体でした。

それはまるで、進撃のきょ、きょ、巨神?のようでした。

おばあさんはそんな巨体のおじいさんを見かねて。

「ちょっと山に鬼退治に行ってくださらんか」

そう言いました。

山に鬼退治に行きたくない、というか、存在がそもそも鬼のような巨体なおじいさんは。

「えー、まじ無理っぽい」

と心の中で呟きながら、しぶしぶ暇潰し程度に鬼退治に山に行くことにしました。

そこへ、川上から、どんぶらこ、どんぶらこと、大きな、大きな、ももが流れてきましたが、実際にはおじいさんは超巨体なので、そんな大きなももを見てもピクリともしませんでした。

しかし、おばあさんは、こんなももが流れてきたという事は、川上に何か異常があるらしいという事で、おばあさんは、より鬼のことを心配し、おじいさんの事も同時に心配しました。

おじいさんは、そのももをひょいと手に乗せると、ぱかっと中を割るかのごとく、簡単にそのももを”くちゃり”と潰そうとした途端。

「カキーン」

と、大きな音がして、そのももは簡単には割れませんでした。

おじいさんの巨大な手でもそのももは割れません。

どうしたことかとおばあさんは首を横に傾げました。

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