ももだろう
その付箋にはこう書かれていた。

「青いカプセルを飲むと今までの記憶が全てなくなり、鬼退治など行きたくなくなるような気力が沸かないような、そんな効能があります」

と書かれておって。

「赤いカプセルを飲むと100人力の力が湧いてきて、鬼を退治出来ます」

と、書かれてあったそうな。

不憫にも鬼退治に行くおじいちゃんにとって好都合な選択を迫られ、しかしてさらに鬼が自らの退路を断つかの如く思われる節を連想させるかのような書き方である。

おばあちゃん、これはまさに抗うつ剤と精力増強剤のようなものだと、しかして思ったのであった。

おばあちゃん、頭良い。

頭良いおばあちゃんを尻目に、おじいちゃん、こんな特効薬素晴らしい!とでも思うかの如く、素早く赤色のカプセルを飲み込んだ。

水なし一錠下痢止め。

ならぬ精力増強剤である。

好奇心旺盛なかわいいおじいちゃん、おばあちゃんはとっさにぽっと顔をあからめ、おじいちゃんを好きになりました。

しかしてこの赤いカプセル、どこかで聞き覚えのあるような方は耳をつぶっていてもらいたいと思うのである。
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