ももだろう
おじいちゃん、飲んだはいいが、この効果、表れるのかと思うのか知らず、この巨体に似合わぬ声で、おばあちゃんに。

「これ、効くのか」

と呟いたのであった。

それもそうである、このカプセル、おばあちゃんに対しては効き目がありそうな手前、おじいちゃんにはさほど、というか、全く効きそうのない代物である。

おじいちゃん、大丈夫か、と思いながら、重い腰を上げながら、今度はやっと、鬼退治に行ってくるように気構えたのである。

おばあちゃんはそれを瞬時に察して、おじいちゃんの大好きなきびだんごを作ってあげようと思ったのであった。

このきびだんご、百人力ではないが、おじいちゃんの大好きなゴマが入っている見た目”ゴマ団子”のきびだんごである。

そしてこれを後々、サル、犬、キジに無理やり食わせようとはおばあちゃん、目にも思っていなかったと思うのである。
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