逆バレンタインは波乱の予感!?
「んで。
こんな俺でもいいのなら、結婚してください」


まだベッドに寝そべっている私の前で、彼が指環ケースを開いた。

「いいけど。
でもこのプロポーズはない……」

「だよなー」

彼の、眼鏡の下で目尻が下がる。
私が好きな、彼の笑顔。

「ちゃんと計画してたんだ。
仕切り直させて」

「了解」

ちゅっ、唇に口付けを落とし、彼はそっと私のあたまを撫でた。

「会社、風邪引いたとか連絡して休んだらいいよ」

「……ずる休み」

「どうせ動けないんだし。
ずる休みじゃないだろ」
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