逆バレンタインは波乱の予感!?
いや、チョコの代わりにクッキーだとかアメだとか、お菓子じゃなくてもハンカチだとかそんなものだったらこんなに困らない。

入っていたのは指環と婚姻届。

ご丁寧にも婚姻届の夫の欄には彼の名前が書いてあった。

「どういうこと、なんだろう……?」

よくあるパターン的には彼からのサプライズプロポーズなんだろうが、私は素直にそうとれなかった。

私と彼との間で結婚の話など一度も出たことはなかったし、ここ一、二年くらい完全にレスだ。
この関係もそろそろ終わるんじゃないか、そんなことも考えた。

なのにプロポーズなどありえない。

「もしかして好きな人でもできたのかな……?」

ならば、納得がいく。
その人に渡すはずだったのと、間違えた。
いや、私との関係を完全に終わらせていないのに、別の女性にプロポーズしようなどとは問題だけど。

「こんなもの、どうしろっていうのよ……」

偶然とはいえ、この関係はもう終わりなのだと気づいてしまった。
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