逆バレンタインは波乱の予感!?
「あー、あのさ?」

「別れたいならはっきり言えばいいじゃん」

「そういうつもりじゃなくて……」

彼の、眼鏡の奥の目がきょときょととせわしなく動き、イライラとしてくる。

「そういうつもりじゃないってどういうつもり!? 
二股でもしようと思ったの!?」

「はぁっ!? 
ちょっと待て!」

ドアの隙間から彼の手が伸びてきて、私の手を掴んだ。

「なんでそうなるんだ!?」
「なんでって好きな人ができたからその人と結婚するんでしょう!?」

彼の手を振り払おうとするが、離してくれない。

「あー、お前、誤解してる。
とりあえずここ、開けて」

「ヤダ」

「いいから」
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