逆バレンタインは波乱の予感!?
「意味わかんない」

「だよな」

はははっ、と短く笑い声を落とした彼の、眼鏡の下で目尻が下がる。

「好きだから、愛してるから、めちゃくちゃ大事にしたいの。
でも好きだからめちゃくちゃ抱きたい」

「なら、抱けばいいじゃん」

そうすれば、私はこんなに悩まずにすんだ。
「んー、好きすぎて理性ぶっ飛んで、壊れるまで抱きたくなるから我慢してる……とか言ったら、怒る?」

「は?」

いや、そこまで我慢している方が私には理解できん。

「もうね、お前が好きで好きで、めちゃくちゃにしたいの。
けど同時に、お前を傷つけたくなくて、めちゃくちゃ大事にしたいの。
だから……ってさっきから俺、なに言ってんだろ」

ははっ、困ったように彼が笑う。
その笑顔に胸がきゅんと切なく締め付けられた。

「私はっ、あんたが好き、だからっ。
……めちゃくちゃにされたい」
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