獣人騎士団 アヴシャルーア
参謀 ノア Ⅲ
騎士団の上空を旋回しながら気持ち良さそうに、飛んで行く竜達を観ながら、ノアの隣に座っている大柄の男が笑顔で朗らかだが、心配そうに言った。
「おいノア…熊の大将、あれは可哀想だ…竜で3時間の空の旅は、生きた心地しないだろうな」
「えーなんで?アレのお陰で、誰も負傷しなくて済むじゃないか。傷付いたり命が亡くなれば、そこで終わりだよ?あの玉のヌシは、害獣が大好物だから喜んで食べてくれるし、お腹満腹になったら勝手に消滅してくれるから、あの玉の処分にもなる」
その男は、若干呆れてノアを見ながら。
「そうだな…流石はノアだが、熊の大将達は、終わるまで眺めて居るのは苦痛だろうし、今現在も辛いだろう。私は彼等が生還した後、団長に言って休日でもプレゼントしよう」
「貴方が言ったら、確実に休みになるじゃないか」
何処と無く不満気にするノアに向かって男は真面目な顔で。
「ノアから私を呼び出すなんて珍しい事もあるもんだな。私からのプロポーズをやっと受けてくれるのか?ノアは私のつがいなのだから……」
男の話を遮る様に、ノアが話をした。
「……違うよ……呼び出したのはそんな事じゃない。それに、貴方にはちゃんと許嫁いるだろ!手も出したそうじゃないか。早く子供でも作って皆んなを安心させてあげなよ」
「待てよ!私は手を出してなんかないぞ!それに許嫁なぞ居ない、私にはノアだけだ。今夜も家に、行くからな!!私の身体からは、ノアの匂いしかしないぞ!誰に吹き込まれたのか知らないが、ノア以外は私は要らないからな…………ノア刺客は来るか?」
「ああ、たまにね」
「そうか……迷惑かけて済まない、キチンと対処しておくから。悪いな…」
「気にしないで、幼馴染で自然とつがいだと気付いた時に、貴方の立場等は充分に理解はしてるつもりだから、もし…もしも女性と結婚しないといけなくなったら、私は大丈夫だから…結婚しなよ」
自身の不甲斐なさに、素直に落ち込む男に対してノアは、いつもこんな事しか言えないのだ。
(私は男で、ガルディンもまた男…その上、第二王子なのだ。王太子様もいらっしゃるが温厚で優しい方なのだが、少しだけ身体が弱く病気がちな方だから、第二王子だが、頭も切れて容姿も整っているガルディンはとても多方面で、期待されている。
その上、隠しているはずの私達の関係も綻び始めている様で、私に対する色々な妨害や暗殺が増えている。返討ちにしてやってるが…ガルディンの女性問題だけは、私が一番気に病んでいるので、ついつい鵜呑みにしてしまう。心とは儘ならぬものだと思うよ。いっそ逃げ出してしまいたい……
以前のガルディンは、女性が大好きで男など眼中に無かったのに…私がつがいだと知った時から、私一筋になってしまった…
嬉しくないと言えば嘘になるが、つがいというモノで無ければ、眼中に無かったのだ!偶々つがいだっただけで、ガルディンの意識を変えたのだ!気持ちは、心は?何処に行ったのだろうか?つがいとは、強制的に好きになるのだろうか?そんな事を考えていたら…どんどん自信が無くなって…私らしく無くも、一時は他国に逃げようかと準備迄してしまったんだ)
「ノア、ノア!私を観ろ!」
ガルディンが、ノアの顎に片手を添えて自身の方へ向け、ノアの綺麗な形の唇を自身の唇で覆った。考え込んでいたノアは、突然の事でガッツリ受け入れてしまい。ガルディンの気の済むまま、数分間の濃厚なくちづけは続いた。
唇を離し、なすがままのノアを、ギュッと抱きしめながら。
「愛してるんだよ……私にはノアだけなんだ。私は…ノアがつがいなのを、公表しようと思う。父上と兄上には了承を得たんだ、2人共喜んでたよ」
「勝手な事を……絶対に公表しないで!……皇后様には言ったの?」
「母上は……知ってるだろうが、これ以上邪魔をされない為にも、私の気持ちと考えを、言い含めたつもりだ。刺客は母上ではない様だ…」
「ふぅーん!そうなんだぁ!?言ったんだね」
(これから、何があるのか…気をつけないと……あの人は…愛情深いから怖いんだ)
「おいノア…熊の大将、あれは可哀想だ…竜で3時間の空の旅は、生きた心地しないだろうな」
「えーなんで?アレのお陰で、誰も負傷しなくて済むじゃないか。傷付いたり命が亡くなれば、そこで終わりだよ?あの玉のヌシは、害獣が大好物だから喜んで食べてくれるし、お腹満腹になったら勝手に消滅してくれるから、あの玉の処分にもなる」
その男は、若干呆れてノアを見ながら。
「そうだな…流石はノアだが、熊の大将達は、終わるまで眺めて居るのは苦痛だろうし、今現在も辛いだろう。私は彼等が生還した後、団長に言って休日でもプレゼントしよう」
「貴方が言ったら、確実に休みになるじゃないか」
何処と無く不満気にするノアに向かって男は真面目な顔で。
「ノアから私を呼び出すなんて珍しい事もあるもんだな。私からのプロポーズをやっと受けてくれるのか?ノアは私のつがいなのだから……」
男の話を遮る様に、ノアが話をした。
「……違うよ……呼び出したのはそんな事じゃない。それに、貴方にはちゃんと許嫁いるだろ!手も出したそうじゃないか。早く子供でも作って皆んなを安心させてあげなよ」
「待てよ!私は手を出してなんかないぞ!それに許嫁なぞ居ない、私にはノアだけだ。今夜も家に、行くからな!!私の身体からは、ノアの匂いしかしないぞ!誰に吹き込まれたのか知らないが、ノア以外は私は要らないからな…………ノア刺客は来るか?」
「ああ、たまにね」
「そうか……迷惑かけて済まない、キチンと対処しておくから。悪いな…」
「気にしないで、幼馴染で自然とつがいだと気付いた時に、貴方の立場等は充分に理解はしてるつもりだから、もし…もしも女性と結婚しないといけなくなったら、私は大丈夫だから…結婚しなよ」
自身の不甲斐なさに、素直に落ち込む男に対してノアは、いつもこんな事しか言えないのだ。
(私は男で、ガルディンもまた男…その上、第二王子なのだ。王太子様もいらっしゃるが温厚で優しい方なのだが、少しだけ身体が弱く病気がちな方だから、第二王子だが、頭も切れて容姿も整っているガルディンはとても多方面で、期待されている。
その上、隠しているはずの私達の関係も綻び始めている様で、私に対する色々な妨害や暗殺が増えている。返討ちにしてやってるが…ガルディンの女性問題だけは、私が一番気に病んでいるので、ついつい鵜呑みにしてしまう。心とは儘ならぬものだと思うよ。いっそ逃げ出してしまいたい……
以前のガルディンは、女性が大好きで男など眼中に無かったのに…私がつがいだと知った時から、私一筋になってしまった…
嬉しくないと言えば嘘になるが、つがいというモノで無ければ、眼中に無かったのだ!偶々つがいだっただけで、ガルディンの意識を変えたのだ!気持ちは、心は?何処に行ったのだろうか?つがいとは、強制的に好きになるのだろうか?そんな事を考えていたら…どんどん自信が無くなって…私らしく無くも、一時は他国に逃げようかと準備迄してしまったんだ)
「ノア、ノア!私を観ろ!」
ガルディンが、ノアの顎に片手を添えて自身の方へ向け、ノアの綺麗な形の唇を自身の唇で覆った。考え込んでいたノアは、突然の事でガッツリ受け入れてしまい。ガルディンの気の済むまま、数分間の濃厚なくちづけは続いた。
唇を離し、なすがままのノアを、ギュッと抱きしめながら。
「愛してるんだよ……私にはノアだけなんだ。私は…ノアがつがいなのを、公表しようと思う。父上と兄上には了承を得たんだ、2人共喜んでたよ」
「勝手な事を……絶対に公表しないで!……皇后様には言ったの?」
「母上は……知ってるだろうが、これ以上邪魔をされない為にも、私の気持ちと考えを、言い含めたつもりだ。刺客は母上ではない様だ…」
「ふぅーん!そうなんだぁ!?言ったんだね」
(これから、何があるのか…気をつけないと……あの人は…愛情深いから怖いんだ)