春夏秋冬
慣れない
周りの季節が冬になるにつれて、あたしとユウトが一緒にいる時間が長くなっていった。
ユウトが美術部に行かない日は一緒に帰ったり、なによりユウトと教室で話すことが増えた。
それにたいして真実は「やっと付き合ってるって感じ」と笑った。
その日は、朝から霙まじりの雨が降る、冷たい日だった。テスト最終日ということもあって午後には下校出来る。
雨は雪に変わり、電車通学の生徒は電車が止まる前に、と足速に帰って行った。
真実も用事があるからと先に帰った。そんな真実の事を知って、ユウトは今日は部活に行かず、あたしと一緒に帰ると言った。
律儀に先生にそれを告げに行ってかえってきたユウトと共に外に出た。
朝に比べて風がおさまったせいか、思っていたほど寒くなった。
雪はまっすぐにアスファルトに落ちる。溶けきれずに残った雪の上にまた新しい雪が降って、あたりを白く染めていく。
テストの出来をぽつりぽつりと話しながら歩いた。ユウトはあたしの歩幅に合わせて歩く。
手袋を嵌めた指先がだんだん冷たくなってきたころ、ユウトは言った。
「俺んち、行かない?」