春夏秋冬
そんな会話をしてる内に購買に着いた。
「まだちょっと並んでるわねー」
「ホントに」
列の最後尾に並んで、順番を待つ。
真実が、こっそり口を開く。
「ねえ、本当に矢島悠斗のことが好きじゃないの?」
「だから、違うってば」
あたしは否定する。
たしかに気にはなるけど、それだけなのだ。
好き、ではないと思う。
矢島くんにたいする感情は、今まで好きになった人とは違うから。
好き、ではないと思う。
「今日のイチゴメロンパンは終わり!」
おばさんの声が響いた。
「「「えー!?」」」
あたし達の前に並んでいた女子が、非難めいた声をあげた。
そして、何人かは列に並ぶのを辞めて去っていった。
そして、あたしたちは思いのほか早くパンを買って、昼食にありつけた。