春夏秋冬




――――俺、高校に行く。

リビングに仁王立ちして一言いうと、母さんはテーブルを片付ける手を止め、父さんはソファーから俺を見た。




「何を、言ってるの?」


沈黙の後で、母さんは一言そう言った。


「勉強がしたい」

寿人の代わりになどなれない事はわかっている。

ただ、寿人が送るはずだった残りの人生を歩みたい。

寿人が認めてくれた俺の絵を、もっと勉強したい。


―――強く、生きたい。
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