春夏秋冬
「ううん、今まで手伝ってくれただけで充分。午後に無くしたのは確かだから、美術室に行ってみる」
昼休みを過ぎてからの教室移動は、美術だけだ。
「そうね、それがいいわ。見つかったらちゃんと連絡してよ?」
「うん。ありがとう」
「じゃあね」
「うん、また明日」
真実は手を振りながら教室を出ていった。
どこかの教室からは笑い声が聞こえてくるけど、すでにうちのクラスはしんと静まりかえっている。
「美術室に行こう」
一人ごとが響いた。