春夏秋冬
あたしはじっと矢島悠斗を見つめた。
矢島悠斗は、ぷっと吹き出した。
「そんな、真剣に考えなくていいって」
矢島悠斗は笑う。
「それもそうね」
あたしは笑う矢島悠斗から目をそらした。
矢島悠斗が年上であろうとなかろうと、クラスメートであることに変わりはないのだ。
「あー、ここに西沢さん連れて来てよかった」
矢島悠斗は言った。
「あたしも、来てよかった」
素直にそう思っていた。
「ねえ、西沢さん」
のんびりとした調子で矢島悠斗は口をひらいた。
「俺と一緒に、またここへ来てくれる?」