春夏秋冬
田阪先輩があたしに相談を持ち掛けたのは、ゴールデンウイークに入る直前だった。
田阪先輩が一緒に帰ろうというから、サナが気を使って、日直の仕事があるという理由で席を外してくれたのだ。
駅裏のマックは少し遠いけど穴場だ。
あたしと先輩はポテトと飲み物を手に、窓際の1番端の席に座った。
そして、先輩が開口1番に言ったこと。
「矢島悠斗のアドを聞け!?」
「ちょっと真実、声が大きい」
しーっ、しーっ、と先輩は派手な外見に似合わない清純そうな仕種をする。
「そんなもん、自分で聞けばいいじゃないですかぁ!」
「それが出来ないから、あんたに頼んでるんでしょうが!」
ねー、お願い。
そうやって冒頭の会話にいたる。