春夏秋冬

「なんでですかね。飽きた?」

あたしがへらっと笑うと、先輩は険しい顔をした。

「そんな事はいうもんじゃないわ」

あんたの顔じゃ、意図しない形で人に伝わるよ。



一瞬、先輩が昔の姿に戻った気がした。

白い肌に、大きな目、長い睫毛に、ピンクの唇。

あたしを助けてくれた綺麗な綺麗なお姉ちゃん。

きっと、先輩も外見で苦労したんだろう。


そして、先輩はあたしと同じ人間だと思った。
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