春夏秋冬

―――知らなくていいよ。

笑うサナを見ながら思う。

―――そんなこと、知らなくていい。


お姉ちゃんとのベッドの中の記憶が甦る。

泣きつかれて眠ったお姉ちゃんを見て、お姉ちゃんの体温にドキドキして。

―――あたしはそっとお姉ちゃんを抱きしめた。

守りたいと思ったんだ。

お姉ちゃんを。
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