春夏秋冬

イチゴメロンパン




教室に足を踏み入れると、一気にあたりがざわついた。


「真実!どうしたのその髪!?」


駆け寄ってきたのは、入口の近くにいたトモエだった。


「切っちゃった」

「切っちゃったって…」

「似合わない?」

「そんなこと、ないけど…むしろ似合ってるけど」


トモエを含め、クラスメイトは驚いていた。

それはそうだろう。

背中の中程まであった髪をショートにしてしまったんだから。


「…真実?」


後ろから声が聞こえた。

やってきたのはサナだ。


「サナ、おはよう」

「おはよう、って髪…」

「これから暑くなるから切っちゃった。どう?」

「後ろから見たら別人だったよ!でも、似合ってる」

「ありがと」

あたしと真実は席に着く。

矢島悠斗はどうやらまだ学校に来ていないみたいだ。
< 64 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop