春夏秋冬
イチゴメロンパン
教室に足を踏み入れると、一気にあたりがざわついた。
「真実!どうしたのその髪!?」
駆け寄ってきたのは、入口の近くにいたトモエだった。
「切っちゃった」
「切っちゃったって…」
「似合わない?」
「そんなこと、ないけど…むしろ似合ってるけど」
トモエを含め、クラスメイトは驚いていた。
それはそうだろう。
背中の中程まであった髪をショートにしてしまったんだから。
「…真実?」
後ろから声が聞こえた。
やってきたのはサナだ。
「サナ、おはよう」
「おはよう、って髪…」
「これから暑くなるから切っちゃった。どう?」
「後ろから見たら別人だったよ!でも、似合ってる」
「ありがと」
あたしと真実は席に着く。
矢島悠斗はどうやらまだ学校に来ていないみたいだ。