春夏秋冬
本当だろうか?





明かりのついていない家の前で座りこんでいたのは、幼なじみの真実だった。

日課にしていた夜のジョギングをして帰ってきた俺に気付いたのか、真実は顔をあげた。

「おかえり」

「なにしてんだよ」

危ねーぞ、とか風邪ひくぞ、とか他にも言いたいことはあったのに、俺は口ごもってしまった。

真実の雰囲気がなんだか
いつもと違ったから。

幼稚園の時から一緒の真実だ。さすがになんかありゃわかる。

「なんかあったのか?」

俺の質問にちょっと笑みを見せ、真実は言った。

「髪切ってくれない?」
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