春夏秋冬

5分ほど走って、公園の前に一台のバイクを見つけた。

「矢島くん!」

公園の中で矢島悠斗は所在なさ気に、水呑場の前に座りこんでいた。


矢島悠斗は少しだけ日焼けした顔を上げた。

「ごめん、急に」

矢島悠斗は立ち上がる。

「いや、いいんだけど。どうしてここにいたの?」

矢島悠斗は困ったような顔して答えた。

「会いたくなって」

「え?」

「なんかすごく会いたくなって。でも約束とかしてなかったし。家、この辺だって言ってたから、もしかして偶然会えないかな、とか思って」

一気にそこまで言うと、矢島悠斗は一息ついた。そして真っ直ぐにあたしの目を見つめた。
< 86 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop