春夏秋冬
グラスのコーラを綺麗に飲み干して、ユウトは一息つく。
「いや、あのさ。ホントに今無意識だったの、俺」
「え、あ、うん」
「悪気とか全然なくて」
「うん」
「なんか普通に、サナ見てた」
今度はあたしが顔を赤くする番だ。
「ずっとね、見てたんだよ」
「え?」
「気持ち悪いと思われるかもしんないけど、ずっとサナの事見てた」
「…ずっと、って」
「最初から。同じクラスなったのすんげぇ嬉しかったんだよ」
知らなかっただろ?
ユウトは言った。
「だって、ユウトあんまり喋ってくれなかったじゃない」
「俺、人見知りだから。それに、ちょっと落とし物拾って貰ったからって、馴れ馴れしいのもどうかと思ってたし」
「…知らなかった」
「ずっと見てたから、つい癖で見ちゃうんだよ」
ごめん。
ユウトはあたしに謝った。
「あのさ、」
あたしはおずおずと口を開く。
「もしかして、ユウトってあたしの事、好きだったりするの?」
ユウトは一瞬ぽかんとした顔をして、笑った。
「好きだよ。すごく好き」