守るべきは・・・誰
☆☆陸···side
今になって
やっと、本当にやっと
自分のバカさ加減が
わかった。
人の生死に関わる事を
深く考えずに
その場で簡単に判断して
関わってしまった事を後悔していた。
苦しくて・・・・
ただ、ただ、
苦しくて・・・・・・・
でも、誰にも助けてもらえず
誰からも寄り添ってもらえず
身体も心もクタクタになっていた。
俺は、一体
何をやっているのだろうか
大好きで愛していた
結月があんなに言ってくれたのに
聞く耳も持たず一方的に責めて
結月は、
なんで薄情な事が
言えるのだと思っていた
だが、結月が冷静で
俺が軽率だっただけだ。
心春は、一進一退の毎日で
俺は、急変する度に
病院から呼び出され
心春に付き添う。
そのまま、翌日も翌日もと
続く事も多く
仕事にも大きく影響が出始め
課長や支店長に呼ばれる事に。
課長は、俺の親しい行員に
話を聞いたらしく
呆れを通り越して
怒っているようだった。
「結婚して、たった五年目で
妻を捨て離婚までする意味が
あるのか」・・・・と。
更に・・・・
「社会人として
仕事を休みがちになり
銀行や同僚達に迷惑をかけるなんて・・・
理由が、自分の事や家族なら
わかるが‥‥‥
まったくの他人の為に・・・・?
君は、仕事をなんと考えてるんだ!!
仕事を失うやもしれないんだぞ。」
と、言われた。
支店長からは、
「君は、優秀な行員だったから
このまま終わらせるのは勿体ない
だが、これ以上、休みが続くと
回りに影響がでる
それをさけるために
その女性と結婚して
介護休暇としての申請を出して
介護に専念してはどうか?」
と、言われた。
俺は、課長と支店長に
お詫びをして二人に
「少し考えてさせて下さい。」
と、伝え頭を下げて帰った。