守るべきは・・・誰
☆☆ニューヨーク
今の仕事を片付けながら
ニューヨークに向けての準備をする。
両親にも報告をした。
母からは、
心配されたが、
頑張ってみたいと話すと
何とか、わかってくれた。
父は、
「思うようにやりなさい。」
と、言ってくれた。
紬にも報告した。
紬は、寂しいと言いながら
私を応援してくれる。
紬がいてくれたから
春斗さんがきちんとしてくれたから
今の私がいるのだと
お礼を言うと
ばかっと、涙声で言う紬に。
いくつになっても
友人って、いいなぁと
改めて実感していた。
支店長から
今の私のマンションの荷物は
支店長のマンションに
置くように言われた。
申し訳ないから実家に送りますと
いうが
「俺が、そうしたいんだ。」
と、言ってくれて
その言葉に甘える事にした。
出発までの二週間は、
支店長のマンションで過ごした。
ホテルに泊まるからと
言ったが、即座に無理だと
言われてしまい。
私もみんなから離れる不安もあり
甘えさせてもらった。
支店長の部屋は3LDKで、
一部屋使ってないみたいで
そこを借りて荷物を置かせて
もらった。
もう、男性はいいかなぁ、と
思っていた私に
人と暮らす
まして、男性と暮らす
楽しさや居心地の良さを
改めて教えてくれたのは
支店長だ。
出発までに
恭子さん夫婦や
紬と春斗さんと
食事をしたり、飲んだりと
楽しく過ごした。
いよいよ、明日出発の夜
支店長と食事を取りながら
「危ないとこには、行くなよ。
いつでも、連絡してこい
時差とか考えるな
出れないときは、必ず
折り返しかけるから」
と、言われて
「クスクスっ、ありがとうございます。
支店長、こんな機会を与えて
くださり本当にありがとうございます。
精一杯、頑張ってきます。」
と、言うと
「ああ、大野なら大丈夫だ。
いろんな事を吸収してこい。」
「はい。」
その日は、沢山支店長と
話して眠りについた。
翌朝、支店長とは、
玄関でお別れした。
送ると言ってくれたが
「支店長が、遅刻するなんて
ダメですよ。」
と、言うと
渋々、あきらめてくれた。
「その変わりに
一度だけ抱き締めさせてくれ」
と、言われて頷くと
「いいか、結月。
この胸を忘れるな」
と、耳元で囁かれた。
えっ、と思っていると
「じゃ、気をつけて行ってこい。」
と、言われ支店長が先に玄関をでた。