守るべきは・・・誰
☆☆輝さんのおかげ
輝さんは、忙しい筈なのに
時間を見つけては
何度もニューヨークに
来てくれた。
それが、どんなに
私にとって嬉しい事だったか
私だけの・・・秘密。
輝さんのお陰で
ニューヨークでの依頼も
勉強もなんの心配もなく
集中して取り組めた。
離婚当初は、本当に辛かった。
自分から離れたのに
心は、いつも陸を追っていた。
あんなに元カノを大切に思っている
陸なのに・・・
電話がある度に心配をして
直ぐに飛んで行く陸を
見届けて····見守って····
だけど·····
そんな····こと・・・・辛くて・・・・
できなかった。
私の何が行けなかったの?
私達は、出会ってから
愛を育みあってきたのではないの?
陸から、
私が元気だから
わからないんだ
みたいに言われて
私がわるいの?
と、なんども、考えて
なんども、自分を責めた
そんな自分が嫌で
陸からも・・・自分からも・・・
逃げ出した。
陸を憎んだ。
元カノが大切なら
私と結婚しなければ良かったのに
愛を誓ってほしくなかった・・・・と。
彼女自身も憎んだ。
なぜ?今なの?
どうして・・・と。
だけど・・・・・
輝さんに大切にされて
支えてもらって行く内に
二人への憎しみは消えていた。
彼女さんには、元気になって欲しい
陸にも彼女さんと幸せになって欲しい
と、思えるようになっていた。
それに・・・・
陸の御両親には
とても可愛がって頂いていたのに
離婚が決まってからも
挨拶もできなかった。
とんでもないことを
口走りそうだったから
お義母さんに泣きつきそう
だったから・・・・
今、振り替えると
大人として恥ずかしい態度だ。
改めてお手紙を送ろうと
思っていた。
こんな気持ちに、なれたのも
輝さんのお陰。
隣にいる輝さんを見上げると
ん?と、輝さんが私を見るから
ううんと、首を振りながら
「ありがとう、輝さん。」
と、伝えると
「何に対してのお礼?
あっ、でも
どうせお礼を言ってくれるなら
態度でしめしてほしいな。」
「ん?態度・・・・・
と、言っている間に
輝さんにチュッとキスをされて
真っ赤になる私
「どういたしまして」
と、にやけながら言う輝さんに
「もぅ、外!!」
「ん?いいだろう。
ずっと、我慢してきたのだから」
と、嬉しそうに言う
輝さんに、ただ、ただ
真っ赤になる結月だった。