守るべきは・・・誰
☆☆私の守るべき人
「口を挟んで、すみません。
あなたが、結月にしたことを
後悔して懺悔したい気持ちは
わからないわけではありませんが
それは、あなたの
一方的な気持ちですよね。
当時、あなたは結月の言葉も
聞き入れず
結月の気持ちも
無視をして
更に健常な結月を責める言い方まで
して、女性の元に行きました。
妻帯者であるくせに。
あなたの本当に守るべきは、
妻である結月だったのでは
ありませんか?
それに、結婚しているかも
知れない男性に
元彼だとしても
病気だったとしても
共にいてほしいと頼む事は
おかしいのでは?
できるなら
たまにでも良いから、
顔を見せて欲しいと
言われるなら、
まだ わかりますが。
それに、その人の懺悔か願いか
わかりませんが
それを今、
結月が読んでどうなるので
しょうか?
当時の結月の辛さや苦しみは
戻ってきません。
ただ、愛した男に、
夫に裏切られた悲しみを
苦しみを思い出すだけでは
ありませんか?
結月は、私が結婚を申しこんだ時も
自信がないと
また、同じ事があるかもしれないと
中々、返事をしてくれませんでした。
それだけ、あなたがしたことは
結月の中で大きく、
深く残っているのです。
私は、自分の守るべき人が
誰なのか?よくわかっています。
私は、結月だけを愛し
結月だけを一生守って行きます。
どうぞ、お引き取り下さい。
やっと、笑えるようになったのです。
やっと、前に進めるようになったのです。
もう、結月を苦しめないで下さい。
私が、必ず結月を幸せにしますので
お約束します。」
と、輝さんは陸に向かって伝えた。
私は、嬉くて輝さんの手を
ギュッと握った。
輝さんは、空いている手で
私の涙をそっと拭いてくれた。
輝さんは、そっと私の手を引き
歩き始めた・・・
すると・・陸が·····
「結月、本当にすまなかった。
俺は、大きな過ちをした、と
どれだけ後悔したか
わからない。
だから、だからこそ
結月には、
幸せになってもらいたい。」
と、言ってくれたから
陸の目を見て頷いた。
陸の目には涙が光っていたが
微笑んでくれた。
すると、輝さんが
「木原さん、あなたも
身体に気をつけて
幸せになって下さい。」
と、優しい眼差しで
言ってくれた。
私も陸に幸せになって欲しい
そう思えた。
そんな気持ちにさせてくれた
輝さんって
すごいなと
輝さんの顔を見上げると
ん?と、私の顔を見ながら
耳元で
「良かった。
実は、ゆずが彼の事を
選んだらと、心配だったんだ。
心狭い男で恥ずかしい。」
と、言うから
「クスクスっ、本当に?
全然、余裕そうだったよ。」
と、言うと
頬にチュッとキスをされて
「あっ····モゥ···」
と、真っ赤になる私を
輝さんは優しい顔で見ていた。