【完】ボクと風俗嬢と琴の音
ハルの作るカレーは甘め。
でも家庭の味がして、ホッとする。
「そういえば今日会社でさ……」
「ん?」
「優弥と話したんだけど…。
なんか合コン以来、ユカリさんとよく会ってるみたいだよ」
「え~?!そうなの?!
でもユカリは駄目駄目!
お金至上主義のキャバ嬢だよ~?
普通のサラリーマンとなんてタイプじゃないよ」
「そういうもん?!
何か優弥はすっかりユカリさんを良いって思ってるみたいだけど?!」
「話術なら普通の女の子より長けてるよ!
最近ユカリに会ってないから話は聞いてないけど…。
お友達さんは普通の女の子と恋愛した方がいいと思うけどね~」
カレーを食べながら、明日ユカリに聞いてみようと思った。
とはいえ、ハルとの同居生活は秘密。たとえ仲の良い友人であろうと。
新しい家が見つかった!突然言ったらユカリはかなり怪しんでいたけど。そこは何とか誤魔化した。
何はともあれ
同居生活は快適中の快適。
ハルとわたしって気が合うんだ~と思わずにはいられなかった。
全然女らしくないわたしに、ハルは特に何も言ってはこなかった。
「お皿はあたしが洗うよ」
なんて言葉が自然に言えるようになったのも、自分的には成長。
だって黙っていたら全部ハルがやってしまうんだもん!
わたしも再び一人暮らしを始める時は少しくらい家事は出来るようになっていなければ。ハルを見て、そう思うようになった。