【完】ボクと風俗嬢と琴の音
始まりから他人。
だから一緒に暮らすといってもそれぞれのペースがあって
ただの同居人。そう思っていたのに。
一緒にいる時間は、共に過ごす事が多くなった原因は
わたしとハルの趣味がよく似ていて、一緒に映画を見るのも、ゲームをするのも、ひとりよりふたりの方が楽しかったから。
ハルがどう思ってるのかなんて知らなかったけど
私的には居心地の良い時間だった。
気の合う同性の友達のような、面倒見の良いお兄ちゃんのようで
口うるさい母親でもあったけど
正反対の、ましてや異性の人間とここまで良い関係が築けるなんて思いもしなかった。
不安も沢山あったけど、この1か月ですぐに解消された。
「ふぁ~、そろそろ寝よっと」
「琴子、明日仕事?」
「明日は出勤してまいる!
稼いできまっ!!」
「あはは、何それ。
じゃあ、俺の方が先に出るか」
「最近早番が多いからいうて午前中には家出るけどね~。
琴音~おやすみぃ~!!」
今までは昼夜逆転生活だった。
風俗は、午前中から夜中まで営業してるから、働く時間は自由。
主に昼から夜にかけてのシフトで組んでいたけど
最近はもっぱら午前中から夕方にかけて出ている。