【完】ボクと風俗嬢と琴の音

だってハル、早起きなんだもん!



自然と互いの部屋の扉はあけておくようになった。
琴音が自由に行き来出来るよう。
そうしたら朝からハルの生活音。すっかり朝方の人間になってしまった。


でも琴音の存在が1番大きかったと思う。
わたしとハルの間を繋ぐもの。
逆に琴音がいなかったら、上手くやれていたかは不明。



琴音は気まぐれで、その夜その夜寝る場所を変える。
わたしの部屋だったり、ハルの部屋だったり、リビングだったり
そんな彼女の為に、自由に部屋を行き来出来るようにしている。



ウザいと思った事は一度もナシ。
好きだと思った事なんて産まれてこの方一度もなかった猫。
けれど琴音は特別だ。
なんて愛しい命だ。


どんな時だって待っててくれて、帰ってきたら思う存分甘える。
飽きたら離れていって、でも気まぐれで近寄ってきて
自分勝手、だと揶揄されがちな猫だけど……その性質たまらなく愛しい。
猫の留守番のタイムリミットが48時間だ、とか見解が出されているけど、2日間も目を離してしまうなんてありえない。



ハルと同居するにあたって、彼が残業の時間もある。
それを考慮して、出来る限り琴音がひとりになる時間が少ないように


そう思うのもわたしの自分勝手な考えだけど、損得勘定なく自分に甘えてくれる命は、こんなにも愛しい。



わたしって猫好きだったのか!!!!

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