【完】ボクと風俗嬢と琴の音

パシャッ
パシャッ
パシャッ


「何してんの?」


「この角度の琴音ちょ~可愛い~!」


いや、すっかり泣き止んだようで何より。
気持ちが高ぶった時に方言が出るのは、怒りにも涙にも共通するらしい。



「実は、インスタグラム、はじめました!!!」


じゃーん!と誇らしげに見せる画面の中には、琴音の写真がいっぱい。
思わず可愛すぎてニヤケてしまう。


「この写真すげぇ可愛いじゃん!!」


「でしょ?
カメラマンの腕もあるからねぇ~!
可愛い琴音の成長記録だよっ」


「なるほどね~、そういった使い方もあるかぁ~。
インスタってキラキラした女子が自撮りとかパンケーキ載せてるツールとしか思わんかったわ」


「あたしの自撮りなんか載せたら、炎上しちゃうよ…」


「確かに…」


「あっ!ひっど~い!!!」


「あはは。冗談だって。
どっちにしろネットなんて不特定多数の人が見るものに自分の顔なんて載せないにすぎないけどね。
しかし琴音は可愛いなぁ~、こんなに可愛かったら悪用されちゃうかも~」


「むしろ猫モデルにスカウトされちゃうかもね!!」


「ありえる」


俺も相当の猫馬鹿だとは思うけど
琴子も負けず劣らず。


それでもこれだけ可愛がってくれるなんて、有難い限りだけど。


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